豊島公園(ドック跡) 豊島2丁目~王子6丁目
1)板橋火薬製造所王子工場跡地と石神井川を結ぶ水路が埋立られ現在の区立豊島公園になった。
2)この場所には明治~大正期につくられた豊島ドッグと呼ばれる掘割があったが、軍の施設でもあったため、陸軍が荒川(現隅田川)の水運を利用するために掘ったといわれているだけで詳細な資料は残されていない。しかし現在でも、石積みの護岸が地下に残っており、かなりしっかりした構造のものであったことがうかがわれる。
3)このドッグは、現在の豊島2丁目から王子6丁目に至る掘割で、石神井川の新河口をへて隅田川と連絡しており、板橋火薬製造所王子工場で製造された弾薬などをこの運河を通して隅田川まで運びだしていたようである。水路の幅などからみて、小型の船舶が現在の旧豊島中学校跡(平成23年明桜中学校移転予定)にあった船溜りで方向転換しながら、往来していたものと思われる。
「産業考古学探索路」より
だいだらぼっちのお話
ドックを先に進むと、隅田川が蛇行し岬状に大きく突き出していることから、昔の人はここを「天狗の鼻」と呼びました。ある日、伝説の巨人が豊島を訪れ、足についた泥を振り落としたところ小高い土地となって川の流れが変わり鼻の形になってしまいました。この鼻のさらに小高い一部を「だいだらぼっちの塚」と呼び、たまたま塚に鍬を入れた人が病気になったことがあったので、その後、明治の初めまで誰も手を付ける事が無かったと伝わっています。