ワンポイント解説

 

①石神井池

 昭和９年（１９３４）道路堰堤で川をせき止め、水田をつぶし造成した人工のボート池。その時、石神井池と命名。

 

②下石神井村分水跡

 伊勢橋（現・上石神井１丁目）で千川上水から分水し、上石神井村経由で引かれた用水の跡。

 

③禅定院（ぜんじょういん)

 応安三（１３７０）板碑などが出土、三宝寺より古刹といわれる。織部燈籠、石幢六面六地蔵（ともに区登録文化財）など。

 

④伊保ヶ谷戸（いぼがいと)

 疱瘡神が祀られていた、また鋳物師がいたという説もあるが、イボ、イモ地名は、強い水流が合する所に多い。

 

⑤下石神井水門跡　

 昭和30年前後に造られ、付近では区内石神井川沿いで最後まで水田稲作が行なわれていた。

 

⑥蛍橋　

 かつて石神井川に乱舞していた蛍にちなみ、昭和10年代後半、新橋架橋時に命名。50㎜対策河川改修にともない架け替え予定。

 

⑦  松ノ木橋　

かつての上・下石神井村境の古道にかけられた橋。元はこれが御成橋だろう。

 

⑧城山　

 石神井城を攻めた太田道灌が「対の城」を築いたといわれる。付近には「祝儀山」などの地名も伝わる。旧石器・縄文の遺跡としても知られる。昭和31年（１９５６）移転してきた早稲田大学高等学院には旧・智山中学校の校舎が残る。

 

⑨扇山遺跡　

 縄文中期の住居跡30戸が見つかった。数年前閉鎖した東京医科歯科大学寮の敷地が遺跡の中心部。

 

⑩菊池寛別邸跡　

 作家で文芸春秋社を創設した実業家でもあった菊池寛が、病弱だった夫人の静養のために建てた。雑司ヶ谷の本邸とよく似た地形。

 

⑪上石神井村水門跡　

 南田中、下石神井と同時期に造られ、石神井川左岸の田用水を取水していた。

 

⑫小関庚申堂（こせきこうしんどう）　

 元禄四銘（１６９１）の笠付青面金剛庚申塔を祀る。近くの橋が庚申橋、バス通の坂がおさる坂。今も庚申講が存続。

 

⑬本立寺（ほんりゅうじ)

 日蓮宗の古刹。関村草分けの井口一族の菩提寺で、お会式にあわせて行なわれる「関のボロ市」で有名。

 

⑭富士見池　

 もともと湧水地帯で、江戸時代の村絵図に「溜井」として描かれている。昭和初期、ボート池を造成し富士見池と命名。昭和13年（１９３８）東京市立公園に。池周辺から下野谷にかけて縄文集落跡が連なる。

 

⑮溜淵橋（ためぶちばし）

 江戸時代に、千川上水の三郡橋（豊島郡関村・多麿郡吉祥寺村・新倉郡上保谷村）たもとから関村分水を引き込んでいた。