鈴木遺跡
昭和49年(1974)6月に、小平市鈴木町一丁目、現在の鈴木小学校から石器や焼礫などが数多く出土し、ここに遺跡が眠っていることがわかりました。この遺跡は鈴木遺跡と名付けられ、同年8月から発掘調査が行われましたが、この発見によって、これまで八小遺跡の竪穴住居群を除けば、江戸時代前期の玉川上水の開通による新田開発から始まると思われていた小平の歴史が、約3万年前の旧石器時代にまで遡ることが明らかになりました。
発掘調査はその後も道路や地下通学路、マンションなどの建設に先立って断続的に続けられ、その結果、旧石器時代の研究において貴重な資料を提供するとともに、この鈴木遺跡が旧石器時代の大規模な遺跡であることもわかってきました。
現在知られている旧石器時代の鈴木遺跡の範囲は、南北約670メートル、東西約600メートルにおよび、東に開く馬蹄形(C字型)をなしています。これは現在の石神井川のかつての源流部を取り囲むような場所で人々が生活を営み、その結果このような形に遺跡が残されたのです。そしてこの石神井川の当時の水源部は、鈴木小学校のグラウンド付近にあったと思われますが、現在ではより下流に、つまり東方約1キロメートルの、小金井カントリーゴルフ場の中に移っているものと考えられます。
(小平市教育委員会「鈴木遺跡」解説より)